訪問看護師がてんかんを見たら:安全確保とスマートフォンでの撮影を

はじめに
訪問看護の現場では、てんかんを主病名とする患者さんだけでなく、脳卒中後遺症や認知症などの合併症として発作を起こす方に遭遇する機会が少なくありません。いざという時に焦らず対応するためには、正しい知識と冷静な判断が求められます。
本記事では、訪問看護師が現場で知っておくべき「てんかんの基礎知識」から「発作時の対応」、「生活支援」までを整理し、そのまま日々の業務に活かせるポイントを解説します。
てんかんとは?
てんかんは、脳の神経細胞が過剰に興奮し、電気的な乱れ(てんかん放電)が生じることで発作を繰り返す慢性の脳疾患です 。国内には約25万人の患者さんがおり 、小児期だけでなく、近年は脳血管障害などを背景とする高齢者の発症が急増しています 。発作のイメージとして以下の図を理解しておくとよいでしょう。

発作時の対応と観察のポイント
訪問中に発作が起きた際、訪問看護師の最も重要な役割は「患者さんの安全確保」と「正確な観察・記録」です。 発作の様子を正確に主治医へ報告することで、最適な抗てんかん薬(バルプロ酸、レベチラセタム、カルバマゼピンなど)の選択や微調整へとつながります 。

観察の重要ポイント
- 意識の有無: 呼びかけに反応するか、もうろうとしているかを確認します 。
- 症状の始まり: どこからけいれんが始まったか(一側から始まる「焦点起始」か、最初から全身に及ぶ「全般起始」か)を見極めます 。
- 持続時間: 発作が何分続いているかを計ります。5分以上続く場合はてんかん重積状態の恐れがあり、直ちに救急要請が必要です 。
- 動画での記録: 家族の協力が得られれば、スマートフォン等で発作時の動画を撮影しておくことが、専門医の確定診断に極めて有効です。
患者さんの生活と安全を守る環境調整
在宅療養において、てんかん患者さんの安全を守るための環境調整は必須です。
- 入浴・溺水への対策: てんかん患者さんの予期せぬ死亡原因として多いのが入浴中の溺水です。単身の場合はシャワー浴を基本とし、ご家族がいる場合は必ず在宅している時間帯に入浴して定期的に声かけを行うよう指導します 。
- 服薬管理と副作用のモニタリング: 抗てんかん薬は血中濃度の維持が命です。飲み忘れのチェックに加え、薬の効きすぎによる「眠気」「ふらつき(転倒リスク)」や、投与初期の「皮疹(アレルギー反応)」などの副作用が出ていないかを毎回の訪問で観察します 。
行政的サポートの活用
てんかんは長期にわたる治療が必要となるため、経済的な負担軽減も重要な支援の一つです。
- 自立支援医療(精神通院医療): 医療費の自己負担が原則1割に軽減されます。訪問看護の利用料も1割負担の対象となるため、導入コストに悩む患者さんへ真っ先に提案すべき制度です 。
- 精神障害者保健福祉手帳: 発作の頻度や日常生活の制限度合いによって等級(1〜3級)が判定されます 。取得により、公共交通機関の運賃割引などのサービスが受けられ、患者さんの社会参加を後押しします 。

ふくろう訪問看護リハビリステーションなら安心!
訪問看護の現場では、「急変時にどう対応すればいいか不安」「専門的な医学的判断に迷う」といった悩みを抱える看護師さんも多いでしょう。
しかし、ふくろう訪問看護リハビリステーションなら安心して業務に取り組むことができます。
- 医療法人ならではの連携体制: 迷った時にはすぐに医師へ相談・指示を仰げる体制が整っています。
- 病院レベルの安心を在宅へ: 利益追求ではなく、退院後の医療処置に不安を抱える患者さんへ質の高いケアを提供することを使命としています。
- 充実したサポート環境: 経験豊かなスタッフが揃っており、てんかんなどの神経疾患から終末期ケアまで、事業所全体で協力し合いながらスキルアップできる環境です。
安心して働ける環境で、私たちと一緒に地域医療を支えてみませんか?
参考文献
- てんかん診療ガイドライン2018 (日本神経学会 / 日本てんかん学会等)
- てんかんの有病率・患者調査データ (国立精神・神経医療研究センター)
- ILAE2017年てんかん発作型の操作的分類および用語に関する詳細 (日本てんかん学会 / ILAE)
- 医療安全管理に関するガイドライン案 (日本リハビリテーション医学会)
- 福岡市 精神障害者保健福祉手帳 自立支援医療 制度詳細 (tunaguab.com)
- 精神障害者保健福祉手帳の障害等級の判定基準 (厚生労働省)
- 旅客運賃割引の対象に精神障がい者も追加されます (福岡市ホームページ)
- JRの障がい者割引対象乗車券と割引率 (JSH)
- 医療法人ふくろうの樹 特徴・監修医情報 (nurse-fukurou.jp)
- 訪問看護師の世界を紹介 ─ ふくろう訪問看護リハビリステーションより (note.com)
- セカンドオピニオン – ふくろう訪問クリニック (fukurou.fukuoka.jp)

