記録と書類:ゼロから始める訪問看護

ゼロから始める訪問看護第8回/全10回

記録と書類

訪問看護記録書・計画書・報告書

記録は事務仕事ではありません。次に訪問する人が何を見るかを決めるのは、前の人が書いた記録です。 それに、訪問看護の書類は、種類も書く場所も国の通知で決まっています。 この回では、書類が全部で何種類あって、どれが誰のためのもので、何を書くことになっているのかを整理します。 読み終えたときに、目の前の空欄に何を書けばよいかで手が止まらなくなる状態を目指します。

この連載の現在地 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 第8回 記録と書類

この回の結論

  1. 覚える書類は5つだけです。指示書(もらうもの)、記録書Ⅰ・Ⅱ(自分たちのもの)、計画書・報告書(主治医に出すもの)。誰のためのものかで、書く内容が決まります。
  2. 訪問のたびに書く記録書Ⅱには、実際の訪問の開始時刻と終了時刻を書きます。令和8年度の診療報酬改定で、この点があらためて明確化されました。予定の時刻ではありません。
  3. いちばん多い間違いは、やったことだけを書いて評価を書かないことです。通知は、目標達成の程度及びその効果等について評価を行い、その内容を記録書に記録することと定めています。記録は作業日誌ではありません。

SECTION 01 書類は5つしかない

入職したばかりのころ、書類の名前が似ていて混乱します。 計画書と記録書と報告書と指示書。どれがどれだったか、しばらく分からなくなるものです。 けれども実際には5つしかなく、しかも「誰から誰へ渡るものか」で並べると、一度で覚えられます

図1 5つの書類。誰から誰へ渡るもので分けると混乱しない 様式は「訪問看護計画書等の記載要領等について」(令和8年3月27日 保医発0327第10号)で定められている。 主治医 → 自分 訪問看護指示書 これがないと訪問できない。有効期間と指示内容を必ず確認する(第2回)。 自分たちの中で 訪問看護記録書Ⅰ(参考様式1) 利用者ごとに初回に作る台帳。基本情報と連絡先。更新はするが作り直さない。 自分たちの中で 訪問看護記録書Ⅱ(参考様式2) 訪問のたびに書く。時刻・バイタル・実施内容・評価。毎日書くのはこれ。 自分 → 主治医 訪問看護計画書(別紙様式1) これから何を目標にどう関わるか。指示書と訪問で見た状況を踏まえて作る。 自分 → 主治医 訪問看護報告書(別紙様式2) 実際にどうだったか。訪問日、病状の経過、実施内容、特記すべき事項。 ※ 精神疾患を有する方などを対象とする場合は、別紙様式3・4、参考様式3・4を標準として作成する。 ※ 包括型訪問看護療養費を算定する利用者については、1日ごとに記録書Ⅲを作成する(令和8年度改定で新設)。

図1 「Ⅰ」と「Ⅱ」は記録書だけについている番号です。計画書と報告書には番号がありません。ここが混乱の元になりがちです。

書類誰のためいつ書くか
訪問看護指示書自分たちが受け取る受け取ったとき。有効期間の管理は事業所の仕事
記録書Ⅰチームの全員(自分たち)初回訪問時に作成。情報が変わったら更新する
記録書Ⅱ次に訪問する人(自分たち)訪問のたび。その日のうちに書く
訪問看護計画書主治医と利用者作成時と見直し時。年月日を記入する欄がある
訪問看護報告書主治医月ごと。記録書Ⅱの内容を集約して作る

表1 「誰のため」がずれると、書く内容もずれます。記録書Ⅱに主治医向けの説明を書き込んでしまうのは、よくある初期の混乱です。

SECTION 02 記録書Ⅰ——最初に一度だけ作る台帳

記録書Ⅰは、利用者ごとに初回訪問時などに作るもので、 その人についてチームが共有しておくべき前提をまとめた台帳です。 第5回で見たとおり、この様式が最初に並べているのは検査値ではなく暮らしのほうでした。

通知は、記録書Ⅰに記入する事項を次のように挙げています。

記録書Ⅰには、初回訪問年月日、訪問職種、主たる傷病名、現病歴、既往歴、療養状況、介護状況、訪問看護の依頼目的、緊急時の主治医・家族等の連絡先、指定居宅介護支援事業所等の連絡先、その他関係機関との連絡事項等を記入すること。 出典:「訪問看護計画書等の記載要領等について」(令和8年3月27日 保医発0327第10号)第一の2(3)

ここで新人に見ておいてほしいのは、「緊急時の主治医・家族等の連絡先」が様式に入っていることです。 第6回で、急変時に連絡先を探すところから始めてはいけないと書きました。 その連絡先を書いておく場所は、最初から用意されています。 夜中に呼ばれた人が最初に開くのは、この紙です。

実務のコツ

記録書Ⅰは、作ったあと放置されがちです。けれども、 連絡先と介護状況は、いちばん変わりやすい情報です。 同居していた家族が入院した、キーパーソンが変わった、鍵の場所が変わった。 こうした変化に気づいたら、その日のうちに記録書Ⅰを直してください。 記録書Ⅱに書いただけでは、次に夜間対応する人には届きません。

SECTION 03 記録書Ⅱ——訪問のたびに書くもの

毎日書くのは、これです。参考様式2の欄を見ると、何を書くことになっているかがはっきりします。 通知が挙げているのは、次の項目です。

記録書Ⅱには、訪問年月日、訪問時間(実際の指定訪問看護の開始時刻及び終了時刻)、訪問職種、病状・バイタルサイン、実施した看護・リハビリテーションの内容等の必要な事項を記入すること。 出典:「訪問看護計画書等の記載要領等について」(令和8年3月27日 保医発0327第10号)第一の2(3)

様式そのものにも、実際の訪問日時、利用者の状態(病状)、バイタルサイン(体温・脈拍・呼吸・血圧)、 実施した看護・リハビリテーションの内容、その他、備考、そして次回の訪問予定日の欄があります。 精神科訪問看護の記録書Ⅱでは、食生活・清潔・排泄・睡眠・生活リズム・部屋の整頓等、精神状態、服薬等の状況、 作業・対人関係、実施した看護内容等を書き、月の初日の訪問時にはGAF尺度により判定した値を記入します。

注意

呼吸数の欄があることに気づいてください。様式には「呼吸  /分」と印字されています。 第4回で書いたとおり、呼吸数はいちばん省略されやすく、いちばん早く異常が出るバイタルです。 欄が空いたまま提出される記録は、測っていないことの証明になってしまいます。

SECTION 04 時刻は、予定ではなく実際を書く

ここは、令和8年度の診療報酬改定であらためて明確化された点なので、独立して扱います。 書くのは実際の開始時刻と終了時刻です。予定表の時刻ではありません。

改定の資料では「適正な訪問看護の推進」として、訪問看護の実施にあたって 漫然かつ画一的なものにならないよう看護目標及び訪問看護計画に沿って行うこと、 そして記録書等に訪問開始時刻と終了時刻等を記載することを明記する、と説明されています。

  • 予定の時刻をそのまま書き写さない10時から11時の予定で、実際は10時5分から10時50分だったなら、そう書きます。まるめると、実施時間に応じた区分との整合が取れなくなります。
  • 移動や記録の時間は、訪問時間に含めない訪問時間は、その家で指定訪問看護を行っていた時間です。車の中で記録を書いた時間は入りません。
  • その場で控えるあとから思い出して書くと、必ずきりのよい数字になります。玄関を出た時点で時刻を見る癖をつけてください。
  • 短くなった日こそ、理由を書く本人の希望で早く切り上げた、不在で待った、体調で中止した。時間が短い日は、理由が残っていないと後から説明できません。
制度メモ

令和8年度改定では、このほかにも記録に関わる見直しが入っています。 指定訪問看護の事業の人員及び運営に関する基準について、 適正な手続きの確保、健全な運営の確保、事故発生時等の安全管理の体制確保、記録の整備などが新たに規定されました。 記録は、良い看護のための道具であると同時に、事業所が備えるべき体制の一部でもあります。

SECTION 05 計画書——「これから何を目指すか」を書く

訪問看護計画書(別紙様式1)は、主治医に出すものです。 欄は、看護・リハビリテーションの目標、年月日、療養上の課題・支援内容、評価、 衛生材料等が必要な処置の有無とその内容・必要量、訪問予定の職種、備考、という構成になっています。

通知は、目標について主治医の指示書及び訪問による利用者の療養状況を踏まえて設定すると書いています。 つまり、指示書だけでも、訪問で見たことだけでもなく、両方を突き合わせて立てるものだということです。

  • 目標は、達成したかどうかが判定できる形にする「安楽に過ごせる」では評価できません。「夜間にトイレへ行くときに転ばずに移動できる」なら、次の月に判定できます。
  • 衛生材料の必要量は、1か月に必要となる量を書くここが空欄だと、必要な材料が届きません。処置の内容と種類・サイズもあわせて具体的に書きます。
  • 訪問予定の職種は、利用者にわかるように書く理学療法士等の訪問が予定されている月に記載します。実際の職種と入れ替わっても差し支えありませんが、利用者への説明は必要です。
  • 見直したら、その年月日を入れる作成年月日だけでなく、見直しを行った年月日を記入する欄です。状況が変わったのに計画が変わっていない状態は、記録上そのまま見えてしまいます。

SECTION 06 報告書——1か月を1枚にする

訪問看護報告書(別紙様式2)は、その月に実際どうだったかを主治医に渡すものです。 欄は、訪問日、病状の経過、看護・リハビリテーションの内容、家庭での介護の状況、 衛生材料等の使用量および使用状況、衛生材料等の種類・量の変更、情報提供、 そして特記すべき事項(頻回に訪問看護が必要な理由を含む)です。

新人がいちばん戸惑うのが、訪問日の欄です。カレンダーの日付を、記号で囲んで表します。 記号には意味があり、通知で決められています。

図2 報告書の「訪問日」で使う記号。日付を囲んで意味を持たせる 出典:同通知 第一の2(2)②。記号は重ねて使うことがある(例:特別指示の日に2回訪問)。 看護職員が訪問した日 保健師、助産師、看護師又は准看護師による訪問日。 リハビリ職が訪問した日 理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士による訪問日。 特別訪問看護指示書に基づく訪問の日 医療保険で週4日を超える訪問ができる期間。第2回で扱った1枚。 1日に2回以上訪問した日 朝夕の処置など。回数が必要だった理由は、特記すべき事項に書く。 長時間訪問看護加算を算定した日 精神科の場合は長時間精神科訪問看護加算を算定した日。 30分未満の訪問看護を実施した日 精神科訪問看護報告書のみで使う印。日付を囲まず、印をつける。 ※ 訪問日が2月にわたる場合は、様式の右側の表を使う。月をまたぐ利用者では、ここを空欄にしがち。 ※ 記号は請求内容と一致していなければならない。記録書Ⅱと突き合わせてから提出する。

図2 記号を後からまとめてつけると、必ずどこかがずれます。記録書Ⅱを1日ずつ見ながら、その場で囲んでいくほうが速く済みます。

そして、この様式でいちばん大事なのが「特記すべき事項」の欄です。 第7回で書いたとおり、ここは「病状の経過」から「情報提供」までの各欄の事項以外に、 主治医に報告する必要のある事項を書く場所として定められています。 頻回に訪問看護を行った場合は、提供した訪問看護の内容についてもここに書きます。

他職種はここを見ている

主治医が報告書で最初に見るのは、たいてい訪問日の欄と特記すべき事項です。 病状の経過は、外来のカルテと重なる部分が多く、目新しさがありません。 医師がその紙でしか知り得ないのは、家の中で何が起きているかです。 第5回で見たこと、第6回で気づいたことは、この欄に置いてください。 「独居で、日中は誰も来ません」「冷蔵庫に調理済みの食品がなくなりました」は、 検査値よりも処方や往診の判断を変えることがあります。

SECTION 07 事実と解釈を、混ぜない

様式の使い方がわかったら、次は中身です。 記録で最も多い問題は、量ではなく事実と解釈が混ざっていることです。 混ざると、読んだ人が事実を確かめられなくなります。

「食欲低下あり」と書かれた記録から、次に行く人が読み取れることは、ほとんどありません。 どれくらい食べていないのか、いつからなのか、誰がそう言ったのか。全部が抜けています。

図3 同じ訪問の記録。上は確かめられない、下は確かめられる 情報量の差ではなく、事実と解釈が分けて書かれているかどうかの差。 混ざっている記録 「食欲低下あり。全身状態やや不良。ADL低下傾向。家族も疲労気味。  経過観察とし、次回状態確認する。著変なし」 → どれも書き手の判断。次に行く人が、何と比べればよいのかがわからない。 分けて書いた記録 事実:昼食は主食2割、副菜ほぼ残。3日前は全量摂取。体重は測定できず、    ズボンのウエストがゆるいと本人。体温36.8℃、血圧118/70(平常135台)。    長女「先週から作っても残すようになった」。ゴミ袋の中は前回の半分。 解釈:摂取量の低下が1週間続いている。脱水の可能性を考える。 計画:次回、口腔内と嚥下、排尿回数を確認。38℃以上または尿量減少で即連絡。 → 事実は誰でも確かめられる。解釈が外れていても、事実は残る。 ※ 「著変なし」と書くときは、何と比べて著変がないのかを1行足す。比較の対象がない「著変なし」は情報がない。 ※ 本人や家族の言葉は、要約せずかぎ括弧でそのまま残す。言い回しそのものが手がかりになることがある。

図3 解釈を書くなというわけではありません。解釈は必要です。事実と分けて、どちらなのかがわかる形で書きます。

実務のコツ

迷ったら、「その文を、他人が確かめられるか」で判定してください。 「主食2割」は確かめられます。「食欲低下」は確かめられません。 「長女が『先週から残す』と話す」は確かめられます。「家族も心配している」は確かめられません。 確かめられない文だけで埋まった記録は、書いた人以外には使えません。

SECTION 08 やったことだけを書いて終わらない

記録を作業日誌にしてしまうのは、新人だけの問題ではありません。 処置をした、清拭をした、指導をした。実施内容だけが並び、それがどうだったのかが書かれていない記録は、 どの事業所でも見かけます。けれども、通知はそこをはっきり求めています。

指定訪問看護の提供に当たっては、目標達成の程度及びその効果等について評価を行うとともに、評価に関する内容を訪問看護記録書に記録すること。また、必要に応じて訪問看護計画書の見直しを行い、指定訪問看護の改善を図る等に努めなければならないものであること。 出典:「訪問看護計画書等の記載要領等について」(令和8年3月27日 保医発0327第10号)第一の2(3)

つまり、書くのは3つです。何をしたか、それがどうだったか、だから次に何をするか。 3つ目まで書いてあると、次に訪問する人は、そのまま続きから始められます。

  • やったこと実施した看護・リハビリテーションの内容。処置なら部位と方法と使用した材料まで。
  • どうだったか目標に対して、今どこまで来ているか。「創部は前回3cmから2cmに縮小、滲出液は減少」。効果が出ていないなら、出ていないと書く。
  • だから次に何をするか次回の確認事項と、連絡の条件。ここが記録書Ⅱの「次回の訪問予定日」の欄とつながります。
注意

前回の記録をコピーして日付だけ変える書き方は、絶対にしないでください。 効率のためにやってしまいがちですが、状態が変わっていないことの証明にはならず、 見ていないことの証明になります。 令和8年度改定では、訪問看護が漫然かつ画一的なものにならないよう、 看護目標及び訪問看護計画に沿って行うことが明記されました。同じ記録が並ぶことは、その逆の証拠になり得ます。

SECTION 09 書く時間を、どこから作るか

ここまで読んで、そんな時間はないと思った人が多いはずです。 1日5件も6件も回って、移動して、電話をして、夕方に記録がまとめて残る。これが現実です。 時間の作り方について、実務的な話をしておきます。

  • 玄関を出た直後の2分がいちばん効率がよい車に乗ってすぐ、時刻と数字と、気づいたことを2〜3行だけ書きます。夕方に思い出しながら書く20分より、この2分のほうが情報量が多くなります。
  • その日のうちに書く。翌朝に回さない翌朝に書いた記録は、時刻が丸まり、言葉が要約され、家族の発言が消えます。第6回で扱った急変対応のあとは、とくにその日のうちに書きます。
  • 報告書は月末にまとめて作らない特記すべき事項に書くことは、気づいたその日に下書きへ入れておきます。月末に思い出せることは、たいてい大きなことだけです。
  • 書けない日があったら、そのことを共有する忙しくて書けない日が続くなら、それは個人の時間管理ではなく、訪問件数や体制の問題です。管理者に伝えてください。
他職種はここを見ている

令和8年度改定では、他の医療機関等の関係職種がICTを用いて記録した診療情報等を活用して 計画的な管理を行った場合の評価が新設されました。 記録は、自分の事業所の中だけで完結するものではなくなりつつあります。 誰かが読む前提で書かれた記録だけが、チームの資産になります。

当ステーションの視点

記録は、次に行く人への手紙です

記録を、事業所を守るための書類だと説明されることがあります。それは半分は本当です。 監査でも、事故が起きたときも、書いてあるものしか根拠になりません。 けれども、そこだけを理由にすると、記録は「怒られないために書くもの」になってしまいます。 そう思って書かれた記録は、たいてい何も伝えません。

当ステーションでは、記録を次に行く人への手紙だと考えています。 次に行くのは、明日の自分かもしれませんし、来週の同僚かもしれません。 夜中に初めてその家に行く人かもしれません。 その人が玄関の前で読んで、何を見ればよいかがわかるように書く。それだけです。

新人のうちは、時間がかかって当然です。1件に30分かかってもかまいません。 ただし、削る順番だけは間違えないでください。 最初に削ってよいのは文章の飾りで、最後まで削ってはいけないのは、時刻と、数字と、本人の言葉です。 この3つが残っていれば、あとから読む人が意味を組み立てられます。 逆に、きれいな文章でこの3つがない記録は、読み返す価値がありません。

採用のご案内

ふくろう訪問看護リハビリステーションは、
訪問看護が未経験の方を歓迎しています。

この連載は、訪問看護の経験がないまま入職した看護師が、ひとりで訪問して、 観察して、判断して、報告できるようになるまでの道のりをそのまま書いたものです。 言いかえれば、当ステーションが新しく入った人と一緒にたどる順番そのものです。 経験がないことは、ここでは前提であって、条件ではありません。

1. いきなり一人にしません 見学から一部実施、メイン担当、見守り、単独訪問へ。段階を戻すことを失敗と呼びません。
2. 医師との距離が近い環境 同じ法人にふくろう訪問クリニックがあり、迷ったときに相談できる相手がすぐ近くにいます。
3. 「わかりません」と言える その日のうちに報告できることを、技術より先に身につけてほしいと考えています。
いちばん早いのは、当ステーションへ直接ご連絡いただくことです
  1. 日程が早く決まります。間に人が入らないぶん、お問い合わせから見学、面談までを最短の日程で組めます。
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まずは見学だけでも歓迎します/お電話・メールどちらでも

ブランクのある方、病棟以外の経験しかない方、まず話だけ聞いてみたいという方も、お気軽にご連絡ください。

1年目チェックリスト(第8回ぶん)

  • 5つの書類の名前と、それぞれ誰から誰へ渡るものかを、見ないで言える
  • 記録書Ⅰと記録書Ⅱの違いを、後輩に説明できる
  • 記録書Ⅱに、実際の開始時刻と終了時刻を分単位で書いている
  • バイタルの欄の呼吸数を、空欄のまま出したことがない
  • 記録の中で、事実と解釈が読み分けられる形になっている
  • 「著変なし」と書くとき、何と比べて著変がないかを添えている
  • 本人や家族の言葉を、要約せずにかぎ括弧で残している
  • やったことだけでなく、その効果と次の予定まで書いている
  • 前回の記録をコピーして日付だけ変えたことがない
  • 報告書の訪問日の記号(○◇△◎□)の意味を説明できる
  • 特記すべき事項に書くことを、気づいた日に下書きしている
  • 記録書Ⅰの連絡先が今も正しいか、担当している人ごとに確認している

Q&A よくある質問

Q記録に時間がかかりすぎます。先輩は10分で書き終えているのに、自分は1件30分かかります。
A1年目でその差が出るのは当然です。先輩が速いのは、書く前に何を書くかが決まっているからで、文章が速いわけではありません。近道は、玄関を出た直後の2分です。車に乗ってすぐ、時刻・数字・気づいたことを3行だけ書いておくと、夜の作業は「並べ替え」になります。思い出す作業がなくなるだけで、半分以下になります。それでも時間がかかるなら、訪問件数の側の問題かもしれません。管理者に共有してください。
Q状態が本当に変わらない利用者さんの記録は、どう書けばいいですか。毎回同じになってしまいます。
A同じ文をコピーするのではなく、その日の平常を具体的に1行書いてください(第6回)。「居間の椅子でテレビ。自分で立ってトイレへ。会話は普段どおり」。これが3か月ぶん並ぶと、平常値の記録になります。安定していること自体が観察結果です。ただし、本当に何も変わらない月が続くなら、計画書の目標が今の状態に合っているかを見直す時期かもしれません。通知も、必要に応じて計画書の見直しを行うよう求めています。
Q訪問時間が予定より短くなった日、そのまま短く書くと算定に影響しないか心配です。
A実際の時刻を書いてください。書くのは実際の開始時刻と終了時刻だと、通知で定められています。短くなったこと自体より、記録と請求が食い違っていることのほうが、はるかに重い問題になります。短かった理由(本人の希望、不在で待った、体調で中止した)を備考に書いておけば、あとから説明できます。算定上の扱いに迷う場合は、その場で判断せず管理者に確認してください。
Q「特記すべき事項」に何を書けばいいのか、いつも迷います。空欄で出すこともあります。
A第7回で「次回まで」に振り分けたものの行き先が、この欄です。病状の経過や看護の内容の欄に入らないもので、主治医が知っておくべきこと。たとえば「同居の長男が入院し、日中の見守りがなくなった」「暖房を使わなくなった」「督促状が届いていた」。医学的な情報でなくてかまいません。むしろ、医師が診察室で得られない情報ほど、この欄の価値があります。空欄が続いているなら、気づいたことを捨てている可能性があります。

連載「ゼロから始める訪問看護」全10回

  1. 訪問看護という仕事の全体像——病棟と何が逆転するのか
  2. 制度の入口——使う保険と、指示書という1枚
  3. 訪問1回の組み立て方——玄関の前から次回の予約まで
  4. からだをみる——「その人の平常値からのズレ」で読む
  5. 暮らしをみる——情報は家の中に置いてある
  6. 「いつもと違う」に気づき、動く——予測と急変時の初動
  7. 報告・連絡・相談——SBARと「今すぐ/今日中/次回まで」
  8. 記録と書類——訪問看護記録書・計画書・報告書
  9. 多職種連携——誰が何を持っていて、何を待っているか
  10. 家族とともにいる——意思決定支援から看取りまで

REFERENCE 参考資料

  1. 厚生労働省保険局医療課「訪問看護計画書等の記載要領等について」令和8年3月27日 保医発0327第10号(https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001681763.pdf)※本文中の様式の欄名・記載要領・引用は、すべてこの通知による。令和8年6月1日から適用
  2. 厚生労働省保険局医療課「令和8年度診療報酬改定について【訪問看護ステーション向け】」令和8年3月10日版(https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001671099.pdf)※適正な訪問看護の推進、運営に関する基準の見直し、包括型訪問看護療養費の新設
  3. 厚生労働省「令和8年度診療報酬改定について」(https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_67729.html
  4. 一般社団法人全国訪問看護事業協会「令和8年度診療報酬改定まとめ」(https://www.zenhokan.or.jp/new/new2753/
  5. 九州厚生局「訪問看護ステーションの基準に関する届出について(令和8年度診療報酬改定)」(https://kouseikyoku.mhlw.go.jp/kyushu/gyomu/gyomu/hoken_kikan/kango/todokede_r8.html
  6. 指定訪問看護の事業の人員及び運営に関する基準(平成12年3月31日厚生省令第80号)
  7. 指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準(平成11年3月31日厚生省令第37号)第4章 訪問看護
本記事は、公開されている法令・通知・ガイドライン等をもとに、訪問看護の実務に必要な範囲を整理したものです。 制度の取扱いは改定や個別の事情によって変わることがあります。実際の判断にあたっては、 主治医、所属事業所の管理者、審査支払機関、地方厚生局等の窓口にご確認ください。 個々の健康上の問題については、かかりつけ医にご相談ください。
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この記事を書いた人

福岡生まれ、筑紫丘高校卒業、九州大学医学部卒業後、東北の地域中核病院で初期研修医・救急医として勤務し、その後東京の国立がん研究センター中央病院、東京大学病院に勤務。地元の福岡に帰ってきて2023年1月に:ふくろう訪問クリニック(旧:つくし訪問クリニック早良)を開院。2025年5月に医療法人「ふくろうの樹」設立。2025年11月「ふくろう訪問看護リハビリステーション」を開院。

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