中学生・高校生のアトピー性皮膚炎――毎日のスキンケアと「自分で続ける」コツ

結論:中学生・高校生のアトピー性皮膚炎のケアの柱は、1. 洗って保湿する 2. 処方された薬を十分な量・期間で塗る 3. 汗などの悪化因子に対策するの3つです。思春期は、親が塗る時期から本人が自分で続ける時期への切り替わりにあたり、塗り忘れ・量の不足・薬への不安による中断が悪化の原因になりやすい年代です。
よくなったように見えても、自己判断でやめないことが大切です。再発を繰り返すときは、主治医の指示で週2〜3回、定期的に塗る方法(プロアクティブ療法)もあります。外用薬で抑えきれないときは、中高生でも使える注射薬・飲み薬・新しい外用薬があるため、主治医に相談してください。
SECTION 01 思春期のアトピー性皮膚炎:どこに出やすく、何で悪化するか
日本アレルギー学会のアレルギーポータルによると、13歳以上では、頭・首・胸・背中など上半身に湿疹が強く出ることが多いとされています。背中は自分では見えにくく、手も届きにくいため、塗り残しが起こりやすい場所です。
悪化因子には、汗、ダニ・ホコリ・花粉・ペットの毛などの環境、衣類のこすれ、日焼け、化粧品や金属による刺激、ストレス、思春期のホルモン変化があります。食物アレルギーがはっきりしていない場合、食べ物を自己判断で除くことは勧められていません。成長にも影響するため、気になるときは医師に相談してください。
SECTION 02 毎日のスキンケア:洗う・保湿する
1日の流れの例を、図1に示します(日本アレルギー学会アレルギーポータルの記載をもとにした一例です)。
図1 1日のスキンケアの流れの例
SECTION 03 塗り薬の使い方:量・期間・やめどき
ステロイド外用薬などの量の目安は、人差し指の先から第1関節までの長さ(口径5mmのチューブで約0.5g)で、大人の手のひら2枚分(体表面積の約2%)です。少なすぎると効果が出にくく、治るまでに時間がかかります。塗るときはすり込まず、皮膚の上に十分にのせます。
赤みやかゆみは数日でおさまることが多いのですが、皮膚のごわつきが残っているうちは炎症が残っています。医師の指示があるまで続けてください。再発を繰り返す場合には、症状を抑えたあと、保湿を続けながらステロイド外用薬やタクロリムス軟膏を週2〜3回定期的に塗るプロアクティブ療法が行われます。
SECTION 04 部活・学校生活:汗と日焼けへの備え
SECTION 05 「自分で続ける」ためのコツ
思春期は、保護者が塗っていた時期から、本人が自分で管理する時期へ移る時期です。この移行期の支え方について、日本の学会による一次資料は確認できませんでした。以下は、上のスキンケア・外用の方針をもとにした一般的な工夫です。
SECTION 06 こんなときは早めに受診:合併症と治療の選択肢
日本皮膚科学会・日本アレルギー学会のガイドライン2024は、顔の重症例で白内障や網膜剥離などの目の合併症、また伝染性膿痂疹(とびひ)やカポジ水痘様発疹症などの皮膚感染症に注意するよう示しています。次のようなときは、早めに受診してください。
- 目の充血・痛み・見えにくさ、まぶたや顔のはれがある
- 水ぶくれ・ただれ・膿を持つ発疹が急に増えた、発熱を伴う
- 塗り薬を続けても、かゆみで眠れない日が続く
- ステロイドの外用だけでは、よい状態を保てない
外用薬で抑えきれないときの選択肢として、注射薬(生物学的製剤)、飲み薬(JAK阻害薬など)、新しい外用薬があります。アレルギーポータル(2026年4月9日更新)では、デュピルマブは生後6か月以上、ネモリズマブは6歳以上、レブリキズマブは12歳以上、トラロキヌマブは15歳以上が対象とされています。外用のタピナロフクリームは、2024年の承認時に成人および12歳以上の小児が対象でした。対象年齢や使える条件は変わることがあるため、最新の添付文書を確認し、主治医と相談してください。
SECTION 07 Q&A
Q. よくなったら塗るのをやめてもいいですか。
A. 自己判断でやめず、主治医の指示にしたがってください。再発を繰り返す場合は、症状が落ち着いたあとも週2〜3回塗るプロアクティブ療法が行われることがあります。
Q. 汗をかくと悪化するのに、部活は続けてよいですか。
A. 多くの場合、汗の対策(拭く・流す・着替える)をしながら続けられます。プールや長時間の紫外線下での活動に配慮が必要かどうかは、主治医に相談し、学校生活管理指導表で学校と共有します。
Q. 背中が自分で塗れません。
A. 家族に手伝ってもらうのが基本です。本人が希望する方法(時間・場所・頻度)を聞いて決めると続けやすくなります。
Q. 日本の学会のガイドラインは読めますか。
A. 日本皮膚科学会のアトピー性皮膚炎診療ガイドライン2024が公開されています。本稿では、ガイドライン本文のスキンケアの詳細な推奨文は確認しきれず、洗い方・保湿のタイミングはアレルギーポータルの記載によっています。
SECTION 08 ご利用・採用のご案内
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SECTION 09 参考にした資料
- 日本皮膚科学会・日本アレルギー学会 アトピー性皮膚炎診療ガイドライン策定委員会. アトピー性皮膚炎診療ガイドライン2024. 日皮会誌. 2024;134(11):2741-2843. https://www.dermatol.or.jp/uploads/uploads/files/guideline/ADGL2024.pdf
- Saeki H, Ohya Y, Arakawa H, et al. Executive summary: Japanese guidelines for atopic dermatitis (ADGL) 2024. Allergol Int. 2025;74(2):210-221. doi:10.1016/j.alit.2025.01.003. PMID: 39986987.
- 日本アレルギー学会 アレルギーポータル「アトピー性皮膚炎」(最終更新2026年4月9日). https://allergyportal.jp/knowledge/atopic-dermatitis/
- 文部科学省・日本学校保健会「学校のアレルギー疾患に対する取り組みガイドライン(令和元年度改訂)」令和2年3月. https://www.pref.fukuoka.lg.jp/uploaded/attachment/119873.pdf
- 日本たばこ産業・鳥居薬品 プレスリリース「ブイタマークリーム1%(タピナロフ)製造販売承認取得」2024年6月24日. https://www.jti.co.jp/investors/library/press_releases/pdf/2024/20240624_J01.pdf
本稿は一般的な情報であり、個々の症状への対応は主治医の指示にしたがってください。薬の対象年齢や制度は改定されることがあります。(令和8年10月12日時点)

