訪問セラピストという仕事の全体像:ゼロから始める訪問セラピスト

病院のリハ室と何が逆転するのか
病院や施設から在宅に移ってきた理学療法士・作業療法士・言語聴覚士が、最初につまずくのは技術ではありません。 平行棒も、プラットフォームも、鏡もない場所で、40分をどう組み立てるか。その組み立て方が変わるからです。 この回では、訪問という仕事の全体像——どこに何人いて、病院のリハ室と何が逆転し、 1日がどう流れ、ひとりで行けるようになるまでに何段階あるのかを、地図として先に渡します。 同じ事業所の看護師の方にも、セラピストが何をしている人なのかが見えるように書いています。
この回の結論
- 在宅でリハビリテーションを提供する入口は2つあります。訪問看護ステーションからの訪問と、訪問リハビリテーション事業所からの訪問です。自分がどちらの入口に立っているかで、指示の出方も、時間の数え方も、書く書類も変わります。
- 病院のリハ室と在宅で入れ替わるのは、働く場所だけではありません。設備、時間、目的、同席者の4つが逆転します。覚え直すのは手技ではなく、この4つに合わせた組み立て方です。
- 法令が定める訪問リハビリテーションの目的は生活機能の維持または向上で、心身の機能の維持回復はそのために「図る」ものと書かれています。この順番が、現場ではしばしば逆になります。
SECTION 01 訪問セラピストは、どこにいて、何人いるのか
最初に、自分が立っている場所を確認します。在宅でリハビリテーションを提供する入口は、大きく2つに分かれます。
- 訪問看護ステーションから訪問する訪問看護ステーションに所属する理学療法士・作業療法士・言語聴覚士が、主治医の訪問看護指示書に基づいて訪問します。制度上は「訪問看護」の一部です。当ステーションはこちらです。
- 訪問リハビリテーション事業所から訪問する病院・診療所・介護老人保健施設・介護医療院が指定を受けて行います。事業所の医師の診療に基づいて訪問し、報酬も書類も訪問看護とは別建てです。
どちらも、利用者の家に行って理学療法や作業療法を行うという点では同じに見えます。ですが、誰の指示で動くのか、1回を何分で数えるのか、何を書いて誰に出すのかが違います。この違いは第3回で正面から扱います。ここでは、まず規模を見ておきます。
図1 訪問看護ステーションで働く人の5人に1人以上は、すでに理学療法士・作業療法士・言語聴覚士です。訪問はもう、リハビリテーション職にとって例外的な進路ではありません。
セラピストは、すでに5人に1人以上います
訪問看護ステーションで働く人は全国で200,229人。そのうち理学療法士が28,666人、作業療法士が12,308人、言語聴覚士が3,527人で、合わせて44,501人になります。従事者のうち22.2%、5人に1人以上がセラピストです。「訪問看護ステーションは看護師の職場で、自分は間借りしている」と感じる必要はありません。人数の上では、すでにそういう場所ではなくなっています。
もっとも、リハビリテーション職全体から見れば、在宅はまだ少数派です。公益社団法人日本理学療法士協会の会員144,943人のうち、勤務先として急性期の病院を登録している人が24,101人、回復期リハビリテーション病棟が19,102人。つまり、あなたの周りにいる先輩も、そのほとんどが病院から来ています。訪問が未経験であることは、この領域では前提です。
ただし、あなたの事業所には1人かもしれません
ここに、この連載を看護師にも読んでもらう理由があります。訪問看護ステーションの人員基準を見ると、看護職員は常勤換算で2.5人以上(うち1名は常勤)と数が決まっているのに対し、リハビリテーション職の定めはこう書かれています。
人数の定めがありません。0人でも基準を満たしますし、10人でも構いません。1事業所あたりの従事者は常勤換算で8.1人、うち看護職員が5.8人ですから、残りは平均2.3人です。ここに事務職員も入ります。入職したその日から、同じ職種の先輩が事業所に自分しかいない、ということが普通に起こります。
だから訪問セラピストの1年目は、「先輩セラピストに教わる」だけでは成り立ちません。教わる相手のかなりの部分は看護師になります。逆に言えば、看護師の側にも、セラピストが何をできて何ができないのかが見えていないと、頼みようがありません。
看護師がセラピストの訪問に期待しているのは、多くの場合「筋力がついたかどうか」ではありません。「この人の暮らしが、あと何か月このまま回りそうか」を、動作の目で見て教えてくれることです。トイレまで自力で行けるか、夜間に起き上がれるか、介護している家族の腰が持つか。看護師が薬とバイタルサインから読んでいるものを、あなたは動作から読んでいます。同じ人の別の断面です。
SECTION 02 病院のリハ室と何が逆転するのか
ここがこの回の本題です。病院から在宅に移っても、理学療法や作業療法そのものが変わるわけではありません。変わるのはリハビリテーションが置かれている条件です。主な7つを並べます。
| 逆転する軸 | 病院のリハ室 | 訪問(在宅) |
|---|---|---|
| 設備 | 平行棒、プラットフォーム、鏡、トレッドミル。必要なものが揃っている。 | その家にある物だけ。廊下、こたつ、上がり框、洗面台。 |
| 環境 | 誰にでも合うよう標準化された環境。 | その人ひとりのために何十年かけて作り込まれた環境。 |
| 時間の刻み | 1日に複数回、毎日会える。 | 1回20分以上を週に数回。次に会うのは1週間後かもしれない。 |
| 目的 | 治療期間内に機能を戻し、退院する。 | 暮らしが続く。生活機能の維持または向上を目指す。 |
| 同席者 | 本人と自分。家族がいるのは面会や指導の場面だけ。 | 家族が同じ部屋にいる。声かけも沈黙も全部聞こえている。 |
| その場の人手 | 呼べば医師も看護師も来る。 | その場にいるのは自分ひとり。応援は電話の向こう。 |
| 記録の宛先 | 院内のカルテ。同じ建物の人が読む。 | 事業所の外へ届ける通信手段。主治医、ケアマネジャー、看護師が読む。 |
表1 病院のリハ室と在宅で入れ替わる7つの軸。技術ではなく、技術を使う前提のほうが変わります。
7つのうち、1年目にいちばん効いてくるのは上の4つです。順に見ていきます。
1. 設備が逆転する——「道具がない」のではなく「道具が変わる」
最初の訪問で、多くの人が同じことを思います。「ここで何をすればいいのだろう」。平行棒がない、プラットフォームがない、体重計すらないこともあります。ですが、道具がないわけではありません。その家そのものが道具です。
廊下の幅は歩行の課題設定に使えます。こたつからの立ち上がりは、床からの起き上がり訓練そのものです。上がり框の高さは段差昇降の実測値で、しかもその人が毎日必ず越える段差です。洗面台につかまって立てるかどうかは、朝の身支度が続くかどうかと直結しています。病院で平行棒の中を10往復してもらうより、その家の廊下を1往復してもらうほうが、はるかに多くの情報が取れます。
初回訪問で、玄関から居室、トイレ、洗面所、寝室までを一度歩いてもらってください。手すりの位置、つかまっている場所、足の運び、途中で休む場所。この1往復が、その家における評価の基準線になります。次の訪問からは、この経路と比べるだけで変化がわかります。器具のない場所での評価の詳しいやり方は第5回で扱います。
動かしたものは、必ず元の位置に戻してください。これは礼儀ではなく、リハビリテーションの一部です。椅子もリモコンも歩行器も、その人が手を伸ばせる場所にあるから、いまの生活が成り立っています。「使いにくそうだから」と親切のつもりで位置を変えて帰ると、その5センチが夜間の転倒になることがあります。配置を変えるときは、必ず本人と家族に断り、記録に残します。
2. 時間が逆転する——40分を「訓練の時間」だと思わない
病院では、必要なら1日に何度でも会えました。在宅は違います。訪問リハビリテーションの利用状況を見ると、週2回以内が多く、1回あたりの利用時間は40分が多いという結果が出ています。1週間は168時間ですから、あなたが直接見ている時間は全体の1%に届きません。
ここで発想を切り替える必要があります。その40分は、訓練をする時間ではありません。残りの167時間を設計する時間です。その場でどれだけ良い運動をしても、次に来るのは1週間後です。あなたが帰ったあと、本人と家族が何をするか、何をしないで済むようにするか。そこまで決めて帰らないと、40分は40分のままで終わります。
見ていない時間をどう読むかについては、看護師版の連載が同じ問題を扱っています。あわせて読んでください(ゼロから始める訪問看護 第1回 訪問看護という仕事の全体像)。
3. 目的が逆転する——「良くする」から「暮らしが続く」へ
急性期や回復期では、良くなることが前提でした。生活期はそうとはかぎりません。進行性の疾患もあれば、加齢によって少しずつ下がっていく人もいます。「今日は何もできなかった」という感想を1年目が持つとしたら、たいていここが置き換わっていません。この点は次のSECTION 03で、法令の条文を見ながら扱います。
4. 同席者が逆転する——家族が同じ部屋にいる
病院のリハ室では、家族がいるのは面会と指導の場面だけでした。在宅では、ほとんどの訪問で家族が同じ部屋にいます。あなたの声かけも、うまくいかなかった場面も、本人にかけた励ましも、全部聞こえています。
これは負担ではなく、資源です。1週間の167時間を実際に支えているのは家族です。その人に、今日やったことの意味と、明日からやってほしいことを1つだけ伝えて帰る。それだけで訪問の効き方が変わります。ただし「1つだけ」です。3つ渡すと、たいてい何も残りません。
ちなみに、在宅で行うリハビリテーションは病院で行うものの代用品ではありません。脳卒中の利用者を対象に日常生活動作の自立度を比べたメタアナリシス(2025年)では、在宅でのリハビリテーションは病院でのリハビリテーションと差がなく(7研究、標準化平均差0.17、95%信頼区間 −0.00〜0.34)、通常のケアと比べると上回っていました(9研究、標準化平均差1.24、95%信頼区間 0.69〜1.79)。場所が家に変わったから効果が落ちる、ということはありません。変わるのは、組み立て方です。
SECTION 03 法令は「生活機能」を目的に、「心身の機能」を手段に置いている
訪問リハビリテーションの目的は、運営基準にはっきり書かれています。少し長いですが、語順に注目して読んでください。
目指すものとして先に置かれているのは「生活機能の維持又は向上」です。理学療法や作業療法は、そのために行う手段として書かれ、心身の機能の維持回復は「図る」ものとして後ろに来ます。目的が生活機能で、心身機能はその下にある。条文はこの順番になっています。
ところが、実際の計画書はしばしば逆になります。厚生労働省が2026年6月の審議会に出した資料によれば、訪問リハビリテーションのリハビリテーション計画書で運動機能の改善を目標にしている割合は約70%、日常生活動作や手段的日常生活動作の改善を目標にしているのは20〜40%でした。
同じ趣旨の基本方針は、訪問看護の側にも置かれています(同令第59条)。ただし語順が違います。訪問看護は「療養生活を支援し、心身の機能の維持回復及び生活機能の維持又は向上を目指す」で、心身の機能と生活機能が並んでいます。訪問リハビリテーションは、生活機能を目指したうえで心身の機能を図る、という入れ子になっています。並列ではなく、上下があると読むのが素直です。
これは「筋力訓練をするな」という話ではありません。膝が伸びなければ立てませんし、握力が落ちれば手すりを使えません。心身機能へのアプローチは必要です。ですが、目標欄に「膝関節屈曲角度の改善」とだけ書いて、それが何のためかが書かれていない計画書は、条文の求める順番になっていません。目標の立て方は第6回で正面から扱います。
目標を書くとき、「そうすると、この人の生活の何が変わりますか」と自分に一度聞いてください。答えられなければ、まだ手段しか書けていません。膝が10度伸びると、何ができるようになるのか。トイレに間に合うようになるのか、デイサービスの送迎車に乗れるようになるのか。そこまで書けたものが目標です。
SECTION 04 あなたは、誰の代わりに行くのか
訪問看護ステーションから訪問する人には、もうひとつ知っておくべきことがあります。制度上の位置づけです。ここを知らないまま働いていると、看護師との関係でつまずきます。
「看護職員の代わりに訪問させる」。これがあなたの訪問の法的な立ち位置です。訪問看護ステーションから行く場合、あなたが提供しているのは制度上「訪問看護」であって、「訪問リハビリテーション」ではありません。同じ通知は、計画書と報告書を看護職員と連携して作ること、利用開始時と状態が変わったときには看護職員が訪問して評価することも求めています。
この位置づけを、負い目のように受け取る必要はまったくありません。ですが、実務上ははっきりした意味を持ちます。あなたの40分は、あなたの40分で完結しません。その日に見たことを看護師に渡すところまでが1回の訪問です。渡さなければ、代わりに行った意味がなくなります。
令和6年度の介護報酬改定で、理学療法士等による訪問看護に新たな減算が設けられました(適用は令和6年6月1日から)。厚生労働大臣が定める施設基準に該当する事業所は1回につき8単位の減算です。基準は、1. 前年度(前年4月から当年3月まで)の理学療法士・作業療法士・言語聴覚士による訪問回数が看護職員による訪問回数を超えていること、2. 算定日が属する月の前6か月間に、緊急時訪問看護加算・特別管理加算・看護体制強化加算のいずれも算定していないこと、のいずれかに該当することです。国は、リハビリテーション職の訪問が看護から切り離されて単独で回ることを、報酬の側から抑えにきています。算定の詳細は第3回で扱います。
看護師が困るのは、セラピストの技術が足りないときではありません。「今日どうだったか」がわからないまま次の訪問日が来るときです。とくに知りたいのは3つ。1. 前回と比べて動けているか。2. 家族の負担が増えていないか。3. 転倒や痛みなど、こちらが医師に報告すべきことがあったか。この3つは、訓練内容よりも先に伝わってほしい情報です。渡し方の型は第9回で扱います。
SECTION 05 訪問セラピストの1日
ここまでが考え方の話でした。次は、実際の1日の形です。事業所によって件数も時間割も違いますが、おおよその骨格は共通しています。
図2 件数と時間割は事業所によって変わります。共通しているのは、移動時間が業務時間の中にあること、そして記録と報告が「訪問のあと」ではなく「訪問のうち」に入っていることです。
病院との最大の違いは、移動が仕事の一部になることです。1日4件なら、移動は合計で1時間半から2時間になります。この時間は空き時間ではありません。前の訪問の記録を下書きし、次の訪問で確かめることを決める時間です。移動時間の使い方が、1年目のうちに差になって出ます。
予定が詰まっている日ほど、報告が後回しになります。そして後回しにされた報告は、たいてい翌日以降になります。「今日中」に伝えるべきことを翌朝に回した時点で、それは「次回まで」に格下げされています。移動中でも昼休みでも構いません。電話は、事業所に戻ってからかけるものではありません。
SECTION 06 ひとりで行く、けれどひとりで決めない
訪問でいちばん怖いのは、難しい手技ではありません。その場に相談できる人がいないことです。だから、単独訪問ができるようになるまでには段階があります。当ステーションが新しく入った方と一緒にたどる順番は、次の5段階です。
図3 当ステーションが新入職の方と一緒にたどる順番。何回で次に進むかは、利用者ごとに変わります。人ではなく、担当する家ごとに段階を持ちます。
大事なのは、この段階が「人」ではなく「家」ごとに進むことです。単独訪問ができるようになった人でも、新しく担当する家では同行からやり直します。呼吸器を使っている人の家、認知症のある人の家、家族の関係が難しい家。それぞれで最初の1回は同行に戻ります。
なお、訪問看護ステーションからの訪問では、計画書と報告書を作るにあたって、利用開始時と、利用者の状態が変わったときに、看護職員が訪問して状態を評価することが求められています。新しく受け持つ家に、セラピストだけで入って完結させる形は、制度の側でも想定されていません。
迷ったら、3つの締切に仕分ける
ひとりで訪問することと、ひとりで決めることは別です。訪問中に迷ったら、その内容を次の3つのどれかに仕分けます。
- 今すぐその場で電話します。持ち帰りません。訪問中に転倒させた、いつもと明らかに違う呼吸や意識、開始前のバイタルサインが中止基準に触れている、家族が限界を訴えている。判断がつかないこと自体が「今すぐ」の理由になります。
- 今日中訪問は予定どおり終えて、移動中か戻ってから連絡します。動作能力が先週より落ちている、痛みの訴えが増えた、処方が変わったらしい、福祉用具が合っていない。看護師と主治医のどちらに先に伝えるかは、事業所の決まりに従います。
- 次回まで記録に残し、次の訪問か計画の見直しのときに扱います。本人が漏らした希望、家族の何気ない一言、部屋の使い方の変化。急ぎませんが、書かないと消えます。
1年目のつまずきは、ほとんどがこの仕分けで起きます。迷ったときは、ひとつ上の段に置いてください。「今日中」で足りるものを「今すぐ」にしても、誰も困りません。逆は困ります。中止の基準そのものは第8回で、報告の型は第9回で扱います。看護師版の連載にも同じ仕分けが出てきます(ゼロから始める訪問看護 第7回 報告・連絡・相談)。
「看護師さんは忙しそうだから、あとで言おう」という遠慮が、いちばん危ない場面をつくります。あなたが電話をかけないという判断は、あなたひとりで下した判断です。ひとりで訪問することは任されていますが、ひとりで決めることは、まだ誰からも任されていません。とくにセラピストは、その日いちばん長くその人の体を触っている職種です。あなたが気づかなければ、誰も気づきません。
SECTION 07 この連載の地図——全10回で何ができるようになるか
図4 前半で立ち位置をつくり、中盤でその家における判断を、後半で渡し方と終わり方を積み上げます。第1回は、この地図そのものを渡す回でした。
この連載は入門の骨格に絞っています。もっと踏み込んで知りたくなったときは、当ステーションがすでに公開している次の記事が続きになります。
- 訪問リハビリテーションの全体像をもっと詳しく制度としての役割、対象となる8つの領域、病期別の関わり方まで踏み込んでいます。訪問リハビリの役割
- 看護師の側から見た在宅同じ家に入る看護師が、何を見て何を判断しているか。セラピストが読むと、渡すべき情報がわかります。連載「ゼロから始める訪問看護」第1回
- ひとりで訪問するということ単独訪問がいつ始まるのか、2人訪問から移る判断材料を整理しています。訪問看護師が1人訪問で注意すること
1年目に磨くのは、運動メニューではなく「渡し方」です。
病院なら、気づいたことはカルテに書けば同じ建物の中で共有されました。リハビリテーション室から病棟までは歩いて数十秒で、看護師をつかまえて口に出せばそれで済みました。訪問は違います。あなたが玄関を出た瞬間、その家でいま何が起きているかを知っているのは、日本中であなたひとりになります。
しかも訪問看護ステーションから行く場合、あなたは制度上「看護職員の代わりに」訪問しています。代わりに行った人が何も持ち帰らなければ、その家のその日は、誰にも見られなかったことになります。だから当ステーションは、新人の訪問を「良い運動ができたか」では見ません。「次に行く看護師が困らないだけのものを、渡せたか」で見ます。
渡すものは3つです。見たこと(事実)、迷ったこと、そして確かめられなかったこと。3つ目がいちばん大事です。浴室を見せてもらえなかった、家族が不在で介護の状況を聞けなかった、時間が足りなくて歩行を見られなかった——それは失点ではなく、その日の結果として立派な情報です。次に行く人は、そこから入れます。
徒手の技術は数か月で伸びます。渡し方は、初日から身につきます。この連載の10回は、すべてそこに向かって並んでいます。
ふくろう訪問看護リハビリステーションは、
訪問リハビリが未経験の方を歓迎しています。
この連載は、病院や施設からそのまま在宅に来た理学療法士・作業療法士・言語聴覚士が、 ひとりで訪問して、その家で評価して、判断して、報告できるようになるまでの道のりを書いたものです。 言いかえれば、当ステーションが新しく入った人と一緒にたどる順番そのものです。 訪問の経験がないことは、ここでは前提であって、条件ではありません。
- 日程が早く決まります。間に人が入らないぶん、お問い合わせから見学、面談までを最短の日程で組めます。
- 条件を、決める人と直接相談できます。勤務日数、1日の訪問件数、オンコールの有無といった働き方の話を、伝言でなくその場でやりとりできます。
- 入職祝い金20万円を進呈します。直接応募限定紹介手数料がかからないぶんを、求職者の方に還元します。
- 看護師・理学療法士・作業療法士・言語聴覚士を募集しています(常勤・非常勤)
- お電話:092-834-8581(平日 9:00〜18:00)
- メール:nurse@fukurou.fukuoka.jp
- 採用の詳細:求人情報のページ
ブランクのある方、回復期や維持期の経験しかない方、まず話だけ聞いてみたいという方も、お気軽にご連絡ください。
1年目チェックリスト(第1回ぶん)
- 自分の訪問が、訪問看護ステーションからの訪問か、訪問リハビリテーション事業所からの訪問か、どちらの入口かを言える
- 訪問看護ステーションからの訪問が制度上「看護職員の代わり」であることを、自分の言葉で人に説明できる
- 担当している家の中で、平行棒やプラットフォームの代わりに使える場所を3か所挙げられる
- 担当している利用者について、「心身の機能の目標」と「生活の目標」を分けて口に出せる
- 1週間168時間のうち自分が直接見ている時間が何時間かを計算でき、残りを誰が支えているかを言える
- 訪問から戻ったその日のうちに、誰に何を渡すかが決まっている(相手の名前と連絡手段が言える)
- 「わかりません、確認して今日中にお返事します」を、実際に声に出して言ったことがある
- 単独訪問までの5段階のうち、担当する家ごとに、いま自分がどこにいるかを指させる
Q&A よくある質問
連載「ゼロから始める訪問セラピスト」全10回
- 訪問セラピストという仕事の全体像——病院のリハ室と何が逆転するのか
- 3職種は何が違うのか——PT・OT・STの守備範囲と、重なるところ
- 制度の入口——リハビリはどの保険で、誰の指示で動くのか
- 訪問1回の組み立て方——40分か60分で何をするか
- その家で評価する——器具のない場所で、何をどう測るか
- 目標を立てる——「歩けるように」ではなく、どこまでを、いつまでに
- 家と道具を変える——住宅改修・福祉用具でできること、できないこと
- リスクと中止基準——その日やらない判断と、急変時の初動
- 記録と報告——リハビリテーション実施計画書と、看護師への渡し方
- 生活期を伴走する——終わりを決める、そして看取りの場面のリハビリ
REFERENCE 参考資料
- 厚生労働省「令和6(2024)年 介護サービス施設・事業所調査の概況」(https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kaigo/service24/index.html)※事業所数、および「表6 職種別にみた従事者数(詳細票)」令和6年10月1日現在
- 厚生労働省 社会保障審議会介護給付費分科会(第259回)資料3「訪問看護」令和8年6月29日(https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001716095.pdf)※1事業所当たり従事者数、理学療法士等による訪問看護の単位数と令和8年度改定の内容
- 厚生労働省 社会保障審議会介護給付費分科会(第259回)資料4「訪問リハビリテーション」令和8年6月29日(https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001716096.pdf)※請求事業所数、受給者数、報酬の構造、利用時間と計画書の目標の状況
- 指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準(平成11年3月31日厚生省令第37号)第59条(訪問看護の基本方針)、第60条(看護師等の員数)、第75条(訪問リハビリテーションの基本方針)(https://laws.e-gov.go.jp/law/411M50000100037)
- 厚生省「指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準(訪問通所サービス、居宅療養管理指導及び福祉用具貸与に係る部分)及び指定居宅介護支援に要する費用の額の算定に関する基準の制定に伴う実施上の留意事項について」平成12年3月1日老企第36号 第二の4(4)
- 公益社団法人日本理学療法士協会「統計情報」2026年3月末現在(https://www.japanpt.or.jp/activity/data/)※会員数および会員の分布
- Do Y, Lim Y, Jin S, Lee H. Effectiveness of Home-Based Rehabilitation on Activities of Daily Living in Patients With Stroke: Systematic Review and Meta-Analysis. Phys Ther. 2025;105(6):pzaf044. doi:10.1093/ptj/pzaf044

